新宿は豪雨|乳がんのリアルタイム記録

38歳•独身•ひとり暮らし、非浸潤性乳管がん。乳がん初心者の右往左往の記録。

おそらくがんでしょう【エコー&MRI】

2021/9/12(日)
お昼ごろ予約していた病院へ。
先生に紹介状を見せると「ここの病院は再検査が多い」とのこと。
つまりは再検査となってもそんなに心配しなくてもいいってことかな。
 
健診のエコー検査で引っかかったので、もう一度念入りにエコーしてもらう。
女性技師さんは「そんなに心配することないですよー」と言いつつリラックスした雰囲気で見てくれる。ただ「技師は検査するだけなので検査中に何か聞かれてもわたしの口からは何も言えない」とのこと。
 
問題の左胸を見ている間、やはり何か怪しげな影が見え、大きさを測ったりしている。
と、突然医師の先生が入ってきて、技師が「ちょっとこれ見てください」と。
医師がモニターを確認し、軽く触診し、「去年は何も言われなかったか?」と。
 
あー、もうこれは、何かあるんだなとこの時点で確信。
 
「去年はマンモを…」
「若い人はエコーの方がいいんだよ。なんでエコー受けなかったの」
「エコーとマンモを交互に受けてて…」
「40代以上はそれでもいいけど。石灰化って言われてない?」
「言われてないです」
 
石灰化…よく分からんけど乳がんについて調べてるとき目にしたやつ…。
 
あー。
 
エコー終わり、技師さんにすぐ「診察室へどうぞ」と言われる。
先ほどの先生に、「石灰化がみられる」と。
なので「マンモも撮りたい」と。
 
「いままでマンモで気分悪くなったり痛かったりしたことは?」
「めっちゃ痛かったです」
正直、前回受けたときは1年で1番くらいの痛さだった。
「じゃあ受けないで次行こうか」
「そんなことできるんですか」
「マンモで確認してから、MRIで確定させることになるし、MRIの方が位置とか大きさとかハッキリ分かるから、MRIを受けるならマンモを飛ばしてもいい」
「じゃあMRIを受けます」
「おそらく今日ならすぐ受けられるから、待合室で待ってて」
 
この病院にはMRIの設備がないらしく、提携先で受けることになるようだ。
その後、受付の方にいくつかのMRIを受けられる施設があるのでどこがいいですか?と聞かれるが、都内に点在していて、できればこの近くが良かったので1番近いところを指定すると「確認してみますが予約が取れない可能性もあります」と。
あと検査前4時間は何も食べちゃいけないらしく、朝食の時間を聞かれる。10時ごろ食べたので、早くても受けられるのは14時。
電話で確認してもらったところ、最寄りのセンターで14時に取れたとのこと。
MRIを受けたら今日はもう帰っても大丈夫、結果は4日後に届くのでそれ以降に来てください、で次回の予約してお会計。
 
ちょっと待って。
 
「今日はもう先生のお話は終わりですか?」
「終わりです」
「全然詳しい状況を聞いてないんですが」
MRIの結果を見て詳しくお話するんだと思います」
「それはそうでしょうけど、4日も待てないです」
「もう一度先生のお話を聞きますか?」
「はい」
 
いや、だってさ、「どうもヤバそうだ」「石灰化しているようだ」しか分からなかったので、がんだとしてもまだ大丈夫な方なのか、マジでヤバいやつ(命の危険がある)なのか、じゃあ全然気持ちが違うじゃないですか。
何も分からないことほど不安なことはないな、と昨日1日で思ったので、これで4日も耐えられないなと思い。
 
で、もう一度先生に詳しい話を聞く。
 
もちろんMRI他の結果を見ないと確定できないが、現時点では
○おそらく悪性である
○浸潤はしていなさそうだ(ステージ0)
○転移はしていないと思われる
○しかししこりは大きい
○他の病院だとすぐ全摘と言われるかもしれないが、うちでは部分摘出を勧めることになると思う
 
ここで初めてがん宣告に近い発言を受ける。
 
いや、わたし、まじでがんなの…?
え、胸がなくなるの…?
 
3日前には思ってもみなかった。
 
とはいえ、ここ3日ほどの間に多少心の準備ができていたせいか、受け入れられてないだけか分からないけど、泣き崩れるとか放心するとかではなく、(見かけ上は)冷静だった。
 
もちろんがんが怖いのは命に関わるからで、がん=死だと思っているからで、でも先生はしきりに「小林麻央とは違う」と言っていた(小林麻央、同い年だったんです)。
 
がんだとしても、そんなに進んだものではないからそんなにビビらなくていいようだと分かって良かった。
 
というかそう思って耐えるしかない。
 
 
MRIまで少し時間があったので、本屋で「乳がん体験記」みたいな本を読んでみる。
本には、安心する内容もあれば、不安になる内容もある。
人それぞれなんだろうけど…。
 
 
14時 MRIへ。
てかMRIってなんだ?
体内を見る機械なのは分かるけど、実際の検査がどんなものかまったく知らず。
なんか筒に入るんだよねくらいの認識。
 
医師の説明によると、今回は造影剤を注射しながら撮る必要があるらしい。
造影剤は注意が必要なもので、人によっては副反応やアナフィラキシーショックが出て、めちゃくちゃ低い確率だけど最悪死に至ることもあるとのことで、まるでワクチンみたいだ。同意書にサイン。
 
更衣室で検査着に着替え、待ってる間にふと「わたしがんなのか…」と考えてしまい、初めて涙がこぼれた。
 
さて検査。
まずは生理食塩水を注射。
それを腕にぶっ刺したままMRIの機械へ。
うつ伏せに寝転び、視界がほとんどないなかヘッドフォンをされる。
大きな音がすること、まずは造影剤なしで15分、造影剤を入れて10分、合計25分ほどかかると伝えられる。
何かあったら押してくださいとブザーを持たされる。
 
「機械下がります」
と言われて機械が動いている感覚はあるが、視覚がないと前に動いているのか後ろに動いているのか横に動いているのかまったく分からず気持ち悪い。まあ数秒のことだけど。
別に閉所恐怖症ではないけど、真っ暗な狭い空間に閉じ込められるのはちょっと嫌だなあと思ってたけど、部屋は真っ暗にはならず電気は明るくついたままでちょっと安心。
 
ヘッドフォンからはヒーリングミュージック。
あわよくば寝てしまいたかったが機械の音がうるさくて寝られない。
 
こういうとき何を考えればいいんだろうと思ったけど、何も大したことは考えられず。
ひとつだけ思ったのは、「ブログを書こう」ということ。いずれ身近な人にこのことを伝えるにしろ、ひとりでは抱えきれそうにないから、吐き出すためにブログを書こうと。
あとはぼーっとしてる間に造影剤が入れられ、ぼーっとしてる間に終わった。
 
ここからは何でも食べても飲んでも良いと言う(アルコール以外)。むしろ造影剤を出すために水分は多めに取ってくださいと。激しい運動はNG。
 
検査施設を出たのが15:10ごろ。
10時から食べてないのでお腹はすいてるけど食欲がないという矛盾した状態。
 
そういえば15時から好きなアーティストの配信ライブがあった、もう始まってるよなと思いながら見てみると機材トラブルで開始が押していて、まだ始まっていなかった。
wifiのあるカフェにでも入ろうかと思ったけど、食欲もないし、近くの公園でまったり鑑賞。
最初からがっつり見ることができた。わたしはついてる。そう思うことにした。
 
公園から見える空は、わたしとは無関係に青く澄み渡っていて……なんてことはなく、どんより曇天。
ただ公園に溢れる人々はみんな幸せそうで楽しそうで健康なんだろうなと思うとまた涙が少し。
 
ねえ、わたし、がんなんですよ、たぶん。
 
と言っても見た目も何も変わらないし、たぶんこの幸せそうに見えるうちの何人かも実はがんだとか大病を患ったりしてるんだろうな、と思う。
 
どんよりとした空を見ながら、twitterにひとことだけ呟いた言葉。
 
「新宿は豪雨」
(意味・この新宿の空もわたしの気持ちもどんよりしているけれど、ほんとは豪雨のごとく激しい感情が吹き荒れていて、気が気じゃないのです)
 
とはいえ何も食べないわけにはいかないので、気分転換にちょっと良いご飯でも買って帰ろうかなとデパ地下だとか北海道物産展などを見て回ったが、やはり食べたいという気にならず、そのまま帰る。
結局家の近くの惣菜屋で気になる弁当を見つけたので、それを買って帰った。
 
しばらくはこのことを家族や知り合いに言うつもりはない。
その代わり今日の記録といまの気持ちをそのまま記録すべくこれを書いているところ。
三日坊主なのでいつまで続くか分からないけど、また更新していきたいと思います。
希望溢れる内容になりますように。
 
 
◆今日かかったお金
エコー+診察(紹介状あり•3割) 2,680円
MRI 11,220円(3割)
MRI結果を病院に送る配送費 660円