新宿は豪雨|乳がんのリアルタイム記録

38歳•独身•ひとり暮らし、非浸潤性乳管がん。乳がん初心者の右往左往の記録。

入院3日目

2021/12/8(水)
 
▼1日のざっくり記録
0615 看護師来る
0715 主治医A来る
0800 朝ごはん
0830 看護師来る、カロナール1錠
0915 受持医C来る、バンド外れる、明日退院
0945 担当医B来る
0950 麻酔科医来る
1035 看護師来る
1145 掃除来る
1200 昼ごはん、カロナール1錠
1320 看護師来る 退院説明
1405 タオル交換
1530 友人来る、オルガンアワー
1630 看護師来る
1800 晩ごはん
2030 看護師来る
 
今日も朝ごはんまで寝てるつもりだったが、
朝早くから看護師やら先生に起こされる。
朝7時すぎに現れた主治医Aは、部屋の電気がついていないせいか、戸口で顔をチラッと見せ、「○○さーん、明日退院で大丈夫ね〜?」と言いながら去って行った。
傷口の確認しなくてもいいの?と思ったが、傷口は看護師さんや他の先生が確認しているし、
主治医が見る必要もないくらい大丈夫なんだろうと思ってむしろ安心した。
 
8時半にやって来た看護師により、手首のミニ点滴みたいなのも取れて、完全に腕が楽に。
 
9時すぎに受持医の先生Cが来て、傷口を確認後、明日退院が確定。
ガーゼも、胸をきつく締めていたバンドも外された。
手術着も着替えていいということで、普通のパジャマに着替えた。
用意していた前開きのブラジャーを初めてつける(グンゼのメディキュア)。
でもやはり歩いたりして動くと少し痛いので、
ブラジャーの上からバンドを巻いて固定。
 
しばらくして担当医の先生Bもやってきて、
手慣れた様子でパジャマもバンドも前開きのブラも開いて傷口確認。
「まだ怖くて傷口見れてないんです」と言うと、
「わたしたちは綺麗にできたと思っています。あとはご本人がどう思うか」とのこと。
先生が綺麗にできたと言うなら安心である。
でもやっぱりまだ怖くて見れない。
「縫ってるんですよね?」
「縫ってます」
「抜糸はありますか?」
「特殊な糸なので抜糸はありません」
「溶ける糸みたいな?」
「そうです」
ほほー。
「胸よりも脇が痛いんですが」と言うと、
「切除した部分を埋めるのに周りの方から持ってきているから、そのせいかも」と。
そしてなんともう普通に全身シャワー浴びていいらしい。
シャワーOKなのは下半身だけかと思っていた。
傷口のテープは防水だから大丈夫らしい。
 
先生が去ってから、なんとなく手術した胸の下部を触ってみる。
切ったのは胸の上部なので、上は怖くて見れないし触れないけど、下部なら。
普通に、胸がある。
切除部分が大きいので、大幅な変形を覚悟していたが、
なんとなく触った感覚では、普通に、胸がある。
すごい。
 
午後になり、看護師による退院説明。
病理検査の結果を聞く次回来院日は12/29となった。
ドキドキしながら年をまたぐのは嫌だなと思っていたので、ギリ年内で良かった。
結果が良好であることを願う。
 
15時すぎ、友だちがお見舞いに来てくれた。
入院前まで、入院日・手術日・退院日以外は面会禁止と言われていたけど、コロナが下火になったので今月から緩和されたのだった。
ちょうど月1回の患者向けオルガンアワーだったので、友人と院内チャペルまで聞きに行く。
パジャマOKだったけど、なんだか院内を動き回るのにパジャマなのも気が引けて、普通のワンピースに着替え。
何気なく着替えながら、「前開きじゃなくてもいけるな」と気づいた。
多少痛みはあるが、普通に腕を上げることができている。
お見舞い代わりに院内スタバでコーヒーをおごってもらい、
ついでに院内コンビニでお茶などの飲み物を買い込み、
個室に戻ってから30分くらいまったりお話。
元気そうで安心したとのこと。
 
夕方に傷口確認に来た看護師さんにも
「まだ傷口見れてないんですけど、エグくないですか」と聞いてみる。
「大丈夫だとは思いますが、退院までには一度見た方がいいかもしれないですね」と言われる。
明日までには頑張って見てみるか?と思うがまだ見れない。
 
今日の夜も、好きなバンドのメンバーによるインスタトークライブがあったので見る。
入院中の暇つぶし用に、ナンクロの本とか、図書館で借りた小説とか、ニンテンドーDSとか持って来ていたけど、
体を起こすのが面倒なこともあり、
結局横になったままだらだらスマホでネットサーフィンしたり、無料の電子コミックを見ているだけで大半の時間が過ぎて行った。
 
夜になっておそるおそる個室内にあるシャワーを浴びる。
傷口は怖いので見ないようにしつつ。
と、胸よりも脇に激痛が走った。
内部というより、切り傷的な痛さ。
なぜ胸でなく脇が!? って怖くなってシャワー中断、すぐ引き揚げ。
(後で冷静になって考えたらセンチネルの傷が痛かったんだと思われる)
結局お風呂のシャワーは怖くてシャンプーできなかったので、
パジャマを着てから洗面台でシャンプーした。
シャンプーしながらも「やっぱり普通に左腕上がるな」と思った。
 
この病室にいられるのもあと半日くらい。
今日もたっぷり保湿して寝た。

入院2日目【手術日】

2021/12/7(火)
 
▼1日のざっくり記録
0530 起こされる
0700 点滴のための麻酔パッチを手の甲に貼る
0715 先生たち挨拶
8時すぎ 手術室へ
11時すぎ 部屋へ戻る
1300 酸素マスク、足マッサージ外す、トイレまで歩く
1500 飲食可能に、もりもり食べる
1545 主治医くる
1645 担当医くる
1715 夜勤担当看護師挨拶来る
1725晩ごはん、カロナール1錠
1840下げ膳
1900点滴外れる、熱が上がっていた(37.5℃)ので氷枕もらう
 
 
いよいよ手術日である。
朝イチの手術のため、6時までに脱水防止の水(アルジネードウォーター)を2本飲んでおかねば。
わたしとしては5:50くらいに起きて飲むつもりだったが、
看護師さんに5:30に起こされてしまった。
検温・血圧・パルスオキシいずれも異常なし。
水を飲んでからはすることもないのでまた寝ようと思って少しうとうとしたけど、
7時までに手術用の服に着替えておくように言われ、
看護師さんやら先生やらがやって来るのであんまり寝られず。
 
8時少し前に母親がやってきた。
8時すぎに看護師に呼ばれ手術室へ歩いて移動。
持ち物はメガネケースのみ。
本来なら手術室に入るまで家族は同伴できるらしいが、コロナのため母親とは病室でバイバイ。
 
いや〜人生初の手術室ですよ。
と思ったら一旦手術室の隣の小部屋で、名前や生年月日の確認、看護師さんやら医師たちのいろいろの確認など。
いつも診てくれていた先生Bも、いつもと違って手術着だったので、声を掛けてもらえるまで誰か気づかず。
 
そして今度こそ手術室へ。
これも自分で歩いて行って自分で靴を抜いで自分で台に登って自分で横になる。
手術室を見回してみると、結構雑多だった。
麻酔パッチをしていた手首に点滴が挿入される。
「ちょっとチクっとしますよ」と言われたがほとんど何も感じなかった。
酸素マスクが当てられ、コロナのため付けていたマスクが外される。
「マスクは処分してもいいですか」と聞かれたので「捨ててください」と答えた。
眼鏡も外され、ほとんど何も見えなくなる(視力悪い)。
そこで「眠くなるお薬を入れていきますよ、いいですか」みたいなことを言われる。
おぉついに人生初の全身麻酔ターイム!
「深呼吸してください」と言われて2〜3回しているうちに頭がグラグラする感覚があり、「あ、これは歩いてたら倒れてるぐらいのグラグラだな」などと思った。
「気分はどうですか?」
「頭がグラグラします」
「グラグラしますか」
と言われたところで記憶が途切れた。
 
「○○さん終わりましたよ」とぼんやりと声が聞こえる。
本当に、寝ているところを無理やり起こされた感覚。
でも目は開かない。
「リンパは大丈夫でしたよ」と言われたような気がする。
なんとなく運ばれている感覚があるがまだ目は開かない。
エレベータに乗っている、ベッドに乗せられている……。
個室に戻ってしばらくたってようやく目を開いた。
時間は11時すぎ。
3時間くらいかかったようだ。
 
この、術後の2時間が一番つらかった。
 
ぼんやりとした意識のなか、病室で待っていた母親に「手術結果聞いた?」と聞くと「聞いた」と。
「リンパ大丈夫だって言ってた?」
「言ってた」
「良かった」
「乳輪に沿って切ったって。それがご本人の希望でしたからって」
「良かった」
それにしても動けないし、なんか痛いし、余計なことを考えてしまうので、寝てしまいたい。
うとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
またうとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
懲りずにうとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
延々とこの繰り返し。
なんだろう、ショートコントを延々と見せられてる感じ、オチがついたら目が覚める、みたいな。
短い夢をたくさんたくさん見た気がする。
寝たいのに寝れない。
動けないし酸素マスクも邪魔だし血栓予防のため足首に付けられた機械が気になるし……。
気分が悪いとか吐き気とかそういうのはないんだけど、
なんといったらいいか、とにかく全身に不快感が。
 
病室に戻って1時間が経った頃、尿意を感じはじめる(カテーテル入ってなかったので)。
1回感じるともうそればかりが気になってしまって耐えられず……ついに初めてのナースコールを……。
やってきた看護師さんに「ベッドでやってもらうしかないですね」と言われて一瞬プライドが邪魔をする。
でもトイレ行けるの術後4時間だっけ? まだ1時間しかたってないのにあと3時間我慢するの無理……ていうかこの不快感のうち1つをなくせるのに何を我慢する必要があろうかと思い、洗面器をお尻の下に敷いてもらいました……。
「こんなんやったら出んのちゃう」という母親をよそに、初めてベッドの上で用を足す……。
申し訳ないうえに恥ずかしかったけど、すっきりしたのでよかった……。
 
13時になり、術後2時間が経過。
酸素マスクと足首の機械が外され、それだけでもめちゃくちゃ楽である。
そして看護師さん同伴でトイレまで歩いてみることに。
え、トイレって術後2時間で行けるんだ。
だったらあと1時間耐えればよかったかな?と今さら思うがもう遅い。
個室のためベッドからトイレまで3歩である。
点滴の管が邪魔だったし、胸は思ったより痛かったけど、クラクラもフラフラもなく余裕で歩けた。
トイレに入り、さっき出したばかりなのにまた普通に用を足す。
手術前にもちゃんとトイレに行ったのに、なんでこんなに出て来るんだと自分でも疑問(汗)。
水のみ飲用可になったので、用意していたペットボトルストローを看護師さんにさしてもらって飲んだいろはす、超うめーーーー!
大半が寝ていたとはいえ、7時間ぶりの水分補給。
あんまり飲むとまたトイレに行きたくなるだろうが、もう1人で歩いて行けるので無問題。
 
とはいえ、ほとんど動けないしすることない。
そして思ったより患部が痛い。
いや切ってるから当たり前だけど。
内部の痛みというより、でっかい切り傷って感じの痛み。
いや胸にきつくバンドを巻いて固定してるせいの痛みのような気もしなくもない。
ベッドを起こすと少しだけ楽。
はっきりした意識で、母親にもう一度確認。
「リンパは大丈夫だった」「本人の希望により乳輪に沿って切った」とのこと。
ホッ。
 
15時になり、術後4時間経過し、すべて飲食可能になった。
イェーイ!
昨日買っておいたちょっといいスイーツを、冷蔵庫から母親に出してもらって早速食べる。
チョコレートも食べる。
ウマウマ。
点滴のせいで動きづらいがひとりで動けないこともない。
それを見届けて今日も母親は帰って行った。
 
しばらくしていつも診てくれてた先生Bが来てくれた。
きつく巻いていたバンドを外し、
術後の胸をチェックして、「大丈夫そうですね」と。
そしてまた強くバンドを巻かれる。
「今日は強く巻くけど、明日からは緩くなるから」と。
 
その後もまたいろいろな人がやってきて患部をチェックしてくれる。
看護師に「痛みを10段階で言うならどのくらいですか」と聞かれ、「2か3くらいです」と答えた。
動かなかったら痛くないけど、動くとそれなりに響く。
かと言って寝られないほどではない。
 
しかし部屋の構造上、サイドボードが患側にあるので、水とか食べ物とかすぐそこにあっても手を伸ばして取ることができず不便だった。
水ひとつ手に取るだけでも、電動ベッドを起こして健側の手で支えながら体を起こしてから、健側の手を逆側に伸ばして取る必要がある。
サイドボードが健側にあればもっと楽だったのにな。
それにしても、ペットボトルストローは入院中まじで重宝した。
持ってきて大正解だった。
 
18時を待たずに晩ごはんが出された。
「半分以上食べられたら点滴が外れますよ」とのこと。
普通の晩ごはんが食べられるのは朝イチ手術患者の特権らしい。
(午後手術の場合などはパンなどの簡易食らしい)
体を起こすのが面倒だったし、点滴がめちゃくちゃ邪魔だったけど、またしてもぺろり。
半分どころかあっという間に完食である。
 
看護師さんに「痛み止めを出しますね」と言われてカロナール500をもらう。
痛み止めといえば、いつも生理痛のときに飲んでるロキソニンに全幅の信頼をおいているけど、カロナールは初めて。
一応飲んでみる。
はっきり言って痛みに変化なし。
そもそもこの痛みは、傷の痛みなのか、バンドをきつく巻いているせいなのかもよく分からない。
 
19時すぎ。
完食を確認して、検温、血圧、パルスオキシメーターでの確認ののち、点滴がガラガラするスタンドから外される。
とはいえ完全にではなく、手首に収まるミニサイズに。
でもガラガラから外れたお陰でかなり動きやすくなった。
特に自分では熱を感じなかったけど、検温したら37.5℃あった。
カロナールも飲んだのになぜ!
看護師さんに氷枕をもらう。
冷たくて気持ち良い。
 
 
19時半。
持ってきていたノートパソコンを広げ、wifiに繋ぎ、配信ライブを見る。
今まで欠かさず行ってたアーティストのライブ。
冗談抜きで皆勤賞だったので、入院の日にちを決めるときもライブにかぶらないように気をつけてた、なのに、入院の5日前に急遽今日のライブが発表されて、入院直前のただでさえどきどきしている時期に大ダメージを受けてた。
現場に行っている友人にLINEをしつつ、いつも現場に足を運んでいたのに、ひとり病室で見る日が来るなんてと不思議な気分。
とはいえ病室だろうがなんだろうかリアルタイムで見られるんだから良い時代なのかもしれない。
そして朝イチ手術じゃなかったらいまリアルタイムで見る余裕もなかっただろうなと思うとラッキーなのかもしれない。
以前の配信ライブではアンコール前に配信切られたこともあったけど、今回はアンコールも配信してくれて、ほんとに最初から最後まで見ることができた。
初めて乳腺外科に行った日にも、公園でこの人の配信ライブを見たっけな。
わたしはついてる。そう思うことにした。
 
ライブも終わり、いよいよすることがないので寝るしかない。
今日半日ベッドにいただけで、腰がヒリヒリする痛さ。
あとなぜか、左の肩甲骨あたりが擦りむいたような痛さ。
ずっとベッドを起こして同じ体勢でいたせいかな。
ぶっちゃけ胸より腰より肩甲骨の痛みの方が気になる。
クッションを挟んだり、氷枕を当てると少し楽になった。
 
と思いながらも、案外すぐ寝た。
でも結構何度も目が覚めては寝ての繰り返しだった。

入院1日目

2021/12/6(月)
 
人生初の入院。
天気は快晴。
関西から前乗りで来てくれた母とともに、朝10時までに病院へ。
キャリーバッグを引きずり入院受付で手続き。
保証金とのことで先に20万円お支払い。
カード使えてよかった。
 
その後、看護師さんに案内されて個室へ。
病室があるフロアはオートロックで入院者用カードがないと入れない。
結局差額なしの部屋には入れず、差額はかかるが個室である。
部屋は長方形ではなく変形型で思ったより狭かったが、なかなか景色がよい。
窓から隅田川やそこを行き来する船が見える。
 
すぐに看護師さんから入院時の流れの説明。
明日の手術時間は、なんと朝イチ!(8時すぎから)
食事は今日の夜中0時まで、
明日の朝は6時までに脱水防止の水を飲む必要があり、てことは5時半くらいに起きねばならない。
 
続いてエコーで手術部位のマーキング。
めちゃくちゃ時間をかけて念入りに見てくれる。
取り残しがあったら困りますのでありがたいことです。
はじめに放射線技師が、続いて放射線医とのダブルチェックで、印をつけたり消したり。
肌感覚では、めっちゃ外側まで印つけてない!?
結構範囲広がってない!?
って感じでビビりまくって印見れない。
やっと終わったと思ったら予想外の一言
「マンモでも合わせてチェックします」
ってえええええ!! マンモするの!?
(後で聞いたところでは、非浸潤の方はだいたいマンモもするそうです)
マンモまじ痛いから嫌なんだよーと心の中で嘆いているわたしをよそに、
「マンモでも映るように」と今つけた印のところに特殊なシールを貼られる。
マンモ先月やったときもやっぱ激痛だったしマジで嫌だ……と思いつつ検査室へ。
今回は手術範囲確定のための検査なので左側だけだった。
苦痛半減……少しだけホッ。
でもやっぱ「うっ…」と言わずにはいられない痛さ。
撮影後すぐに医師のチェックが入り、撮影OKとの声にホッ。
これでさきほどのエコーでつけられたマーキング範囲で確定。
マンモ用に貼られたシールをはがし、印が消えないように透明テープで保護し、記録用に写真を撮られる。
まだ怖くてマーキング範囲見れなかったけど、透明テープの大きさをマーキング範囲に合わせて切ってくれるのを見る限り、さっきエコーで感じた肌感覚よりは範囲は広くはなさそうでホッ。
(手術まで1ヶ月あくことで範囲が広がり、乳頭温存できなくなるのが一番怖かったんです)
 
時計持って行ってないから正確には分からないけど、エコーとマンモで45分くらいかかったんじゃないかと思う。
病室に帰って来ると既にお昼前。
 
12時すぎ。
ゆっくりしてる間もなく昼食が運ばれてくる。
いやはや、これ結構忙しいぞ。
人生初の病院食!
お腹すいてたのでペロリ。
やっと一息。
いつまでいればいいのやらという感じだった母親も、昼食を見届けて帰って行った。
(コロナのせいで、個室といえども患者以外は飲食禁止だった)
 
しかし14時ごろにはセンチネルリンパ節生検があるのでゆっくりしてもいられない。
この隙に院内のコンビニで飲み物やデザートを調達したり、院内散策したり。
 
部屋に戻って窓の外に見える川を渡る船を眺めていると、先生たちがご挨拶に。
今まで診てくれてた先生Bと、同じチームの偉い先生Aと(初対面)、若い受持医Cともう1人、4人チームである。
(これから先生たちを便宜上ABCと区別することにします)
全員女医さん。
そこで湧き上がる素朴な疑問。
「実際の執刀はどなたがされるんですか?」
「チームでやります」
ほほー、そうなのね。
先生方に、先ほどつけてもらったばかりのマーキング範囲を見てもらう。
初チェックの偉い先生A、「これ乳輪でいけるんじゃない?」と。
以前に傷が目立たない方がいいなという理由で乳輪に沿って切ってもらえませんか?と聞いたときは、先生Bに難しいと言われてたけど、今日のチェックでこれならいけそうだとのこと。
ちょっとだけホッ。
あと先生Aが先生Bに何か聞いていて、先生Bが「でもDCISなんです」と答えているのが聞こえてやはりいまの時点ではまだ浸潤は見つかってないんだ、と勝手にホッ。
(DCIS=非浸潤性乳管癌)

 

 
先生たちもいなくなってまったりしていたところ、
薬剤師の説明、看護師による体重チェックなど、
頻繁に人が入ってくるので全然気が抜けない。
 
14時すぎ。
看護師に呼ばれてセンチネルリンパ節生検へ。
少しチクッとしたけどほぼ痛みなくてホッ。
放射性物質が移動するのを待って1時間に撮影。
これは服の上からで2分半片腕上げて寝てるだけでらくらく。
 
いよいよ今日のイベントはもう終わりか?というところで、
SNSで繋がった、現在入院中の方と少しお会いしてお話を聞く。
既に数日前に手術を終えていて、麻酔後の喉の渇きのためのど飴を持っていた方がいいと聞き、お守り代わりにのど飴をいただく。
手術直後の状態のリアルな話を聞けて大変ありがたい。
 
また部屋に帰ってまったりしてると夜勤看護師の方が挨拶に。
 
18時少し前。
夕食が運ばれてくる。
これもお腹すいてたので一瞬でぺろり。
むしろ物足りない……。
今日の0時までは飲食可なので、コンビニで買い足し。
明日は昼過ぎまで何も食べれないから、できるだけ今日のうちに食べておこうと。
 
19時から、SNSで繋がった別の方々とリモート通話。
励ましていただけるのはありがたいとこです。
 
20時から、両親とリモート通話。
父親に部屋を見せながら個室を自慢する。
 
21時、ようやく落ち着いたのでやっと服を脱いで下着でまったりしてたら
看護師さんが「お変わりないですか」とやって来て、慌てたり。
 
22時ころ、お風呂へ(シャワーのみ)。
個室代は痛いけど、部屋にトイレ•シャワー•洗面台があるのはめちゃくちゃ楽だなあ。
この形の左胸とも今日でお別れか……と思うがマーキング範囲を見るのが怖いので愛でられず……ごめんよ左胸と思いながら、下着の上からなでなで。
 
お風呂出てまた適当な格好(下着)でごろごろしてたら、またしても看護師さんが「お変わりないですか」と確認に。まじで油断してた…。
普段ひとり暮らしだし、一人旅もしょっちゅう行ってるので、なんか自分の家か旅先のホテルかってくらいくつろいでます。非日常空間にむしろテンション上がってる。
 
いつもより念入りに保湿し、23時過ぎに顔パック&ナイトキャップでベッドへ。
 
そんなわけで、入院初日は思ったより忙しくて不安になる暇もないくらいでした。
明日も朝イチなので起きてからドキドキする暇もないような。
おそらくお昼には目覚めて、夕食は普通にとれるそうです。
ひとりで不安で寝れなかったらどうしようと思ってたけど、なんだかすぐ寝れそうな気がします。
楽観的な人間でよかった……。

手術待ちの間に

手術を待っている間にぼんやりしているのも落ち着かないので(仕事してるけど)、
人生で初めて経膣エコーを受けてみた。
もう自分の体が信用できないので、治療が落ち着いたらがっつり人間ドックで全身チェックしたいなと思うけど、とりあえずはできるところから。
 
婦人科に関しては少し生理痛があるくらいで特に自覚症状はないし、お腹を押してみても特にしこりとかは感じないが、受けたことがないので受けてみようかと。
子宮頸がんは毎年受けてて今年も陰性だったんだけど、経膣エコーは今まで受ける機会がなかったのだった。
乳腺エコーみたいに皮膚の上からエコーするものかと思ってたら、膣から突っ込んで見るものとは、申し込んでから初めて知った。
 
カーテンで仕切られていたのでこちらから画面は見えなかったけど、検査開始5秒後くらいに「筋腫が2つありますね…あ、まだありますね…多発筋腫です」と言われてギョギョッ。
でもすぐ「定期的に検査を受けて、経過観察すれば大丈夫です」とのことでホッとした。
ものの5分もかからず検査が終わってびっくり。
詳しい結果は3-4週間後に郵送らしい。
たぶん何もないと信じてるけど、1ヶ月後はおそらく乳がんの病理検査の結果にビクビクしていると思うので、それが出て安心して(予定)から結果を見るかも。
 
 
あと、今のうちに「休暇前の挨拶」「検査結果の報告」「今後の見通し」など、会社の人宛に打つメールを下書きしてみる。
いずれ書かないといけない(面倒くさい)からいまのうちに、というのもあるけど、言霊とかあるかもしれないから、「予定通り4日で退院」「経過は良好で」「幸いにも転移はなく」とかとにかく一番良い結果を前提に書いている。
もちろん術後はどうなるかは分からないのだけどね。
この内容で送信できることを信じて!
 
 
あとは、コロナで延期になったライブが半年の時を経て開催されたのでそれを見に行ったり。
このチケットを取ったときはまさか自分ががんになるだなんて思いもよらなかったけど。
おそらく次に見るときはもう手術後なので、「がん細胞に聞かせてやるなんて今しかできないぜ!」と思いつつ。
 
友達とご飯を食べるのも、いつもより少し豪華なやつにして、ちょっと多めに食べたり。
家にいるとたまに食欲なくてちょっとしか食べなかったりするから、外食のときこそもりもりと。
病名を伝えている友達とは包み隠さず話せて楽である。
また術後に良い報告ができるといいな。

保健師と面談

先日労務の方にご紹介いただき、今日早速、弊社の保健師さんと面談。
 
このご時世なのでオンラインで自宅かららくらく。
電話かTV電話か選べたが、顔を見て話したいなと思ったので、TV電話(Meet)にて。
ふだんの社内の打ち合わせは顔出しせずにやってるので、顔出しは久々で緊張する。
 
保健師さんは若い女性の元看護師で、大学病院の乳腺外科での勤務経験があるとのことだった。
病状やら手術予定、今後おそらく放射線治療のための通院があるだろうことなどを話す。
いまはまだ上長などに病名は告げてないが、術後の病理検査で治療方針が決まるので、このタイミングで伝えようと思っている、など。
保健師さんの方がわたしより全然この病気に詳しいので、ふむふむと順調に話が進む。
 
 
「特殊な業務で引き継ぎできる人がいないので、あまり休みたくない」
と言うと「それはあんまりよくないですね」と言われた。
案外自分ひとりいなくても会社は回るものだとはよく聞くが、実際そうなんだろうとは思うし、別に仕事大好き人間でもないが、あんまり休みたくはないなあと思うのは、気ぃ遣いぃだからだろうか?
自分でもよく分からない。
いや、でももしわたしがいない間に臨時で誰か雇って、自分の帰ってくる場所がなくなってたら嫌だなぁとは思う。
とりあえず木曜に退院して月曜から働くつもりと伝えると、保健師の面談でOKにしましょうとのこと。
そもそも入院中もこまめに連絡とってくれるとか。
保健師さんすごい。
 
どっちにしろ術後の病理検査の結果が出るまでは治療方針が確定しないので、来年のことはまたその時相談することに。
弊社には一応通院休暇の制度もあるが、結局は休職手当の方がもらえるお金が多くなることもあるので、そういうご相談にも乗りますよと。
「結構手厚いので安心してください」とのことだった。
そこそこ大きい会社に勤めていて良かった。
 
身体的に(おそらく精神的にも)不調があるときはここまで保健師が関わってくるものとは知らなかった。
就業に関する不安があればここに相談すればよいのだなと分かっただけでも安心感がある。

会社に報告2

先日上長に入院休暇のことを連絡すると、必要な手続きとかあるかもしれないから労務に連絡してみてと言われた。
 
労務メーリングリスト宛に病名は伏せて手術入院の旨を報告。
メーリスだから部署全員に入院のこと知られるの嫌だなあ、労務内には何人か知ってる人もいるしなあ、などと思いつつ。
 
するとひとりの方(Kさん)から個別に症状をお伺いしたいとチャットが来た。
去年会社が合併したこともあり、Kさんはまったく知らない方である。
いずれ労務には診断書を提出することになるので、ここで病名を隠してもしょうがないかと思い、Kさんに、社内の人として初めて病名を伝える。
でもこういう事務的なことは知らない人の方が言いやすいとも思う。
Kさんも淡々としたもので、病名を聞いても「大変ですね」みたいな声かけはなく、あくまで事務的でこちらも気を遣わずに済むので良い。
 
わたしとしては、月〜木の入院で、金(+土日)休んで、
翌月曜から在宅で復帰するつもりでいたのだけど、
どうやら退院後、復帰するまでには「診断書」「保健師の面談」が必要とのことだった。
おいおい、そしたら月曜に復帰とか無理じゃない?
就業規則めっちゃ読んだけど、そんなこと書いてなかったような。。。
 
そこでKさんからの提案で、先に保健師さんと面談をしてはどうかと。
復帰や今後の治療時のサポートについて、保健師さんに相談した方が良いと。
弊社の保健師さんは乳腺外科での経験がある方だと言う。
それは安心とばかりに、さっそく保健師さんとの面談をすることになった。
 
面談申し込みフォームには「精神的症状」とか「休職したいと思っている」とかいろいろ書くところがあり、結構メンタル不調で保健師さんに相談する方もいるのだろうなと思った。

会社に報告1

ついに会社に報告する。
と言っても入院を伝えるのは3人。
チームの同僚、チーム長、その上の上長。
この中ではわたしが一番若い。
 
数年前に海外旅行で1週間休んだことがあるので、
今回も単に1週間休むだけだと遊びだと思われかねない。
それに今後の通院のことも考えると手術入院であることは伝えておかねば。
 
ただどうしても「死ぬの!?」と思われそうなので
病名は伏せておいた。
いずれ放射線治療となれば毎日通院の必要があるので、
術後の病理検査と合わせてその時には病名を報告しようと思う。
 
とりあえず今日は会社の健診で異常が見つかって手術入院で1週間休むこと、
スケジュールはできるだけ前倒しにしてもらいたいこと、
いまのところは元気だと伝える。
 
職務上、わたしの仕事は誰かに代わってもらったり引き継いだりできないので、前倒し(または後ろ倒し)にしてもらうしかないのである。
 
あとは、仕事でやりとりしている他部署の方々にも同様の連絡をせねばならない。
ただこちらは病気のことは伝えなくてもいいかなと思うので、私用でと伝えるつもり。
 
同僚からはすぐチャットが来た。
「仕事なんかいいから、体を第一に!」
と言ってもらえてありがたい。
(この同僚は確か母を乳癌で亡くしている)
 
他の方からはすぐには返事が来ず、さすがに見逃されていては困るので確認のリマインドを送って今日は退勤。
 
久々に好きなバンドのライブのためライブハウスへ。
元々は指定席の予定だったが、緊急事態宣言解除により観客の上限数が増え、立ち見に戻った。できれば座って見たかった。
別に暴れる系ではないのでぼんやり立って見ていただけだけど、だらんと下げている両腕が重く感じて、ずっと腕を組んでいた(これは病気と関係ないと思う)。
ただ左胸に音がずんずん響いている気がする。
「あ、わたし癌に自分の好きな音楽聞かせてるんだ」なんて思った。
 
めったにやらないし今回も絶対やらないと思っていた、わたしの一番好きな曲をやってくれた。
2日後には同じライブが大阪である。
まだ病気が判明する前に、最初の先行でチケットを確保していた。
何もなかったら確実に行っただろう。
でも今回はさすがにちょっとやめておこうかなと思う(でも少しまだ迷っている)。
わたしの好きな曲を知っている友人たちからは「大阪も行くよね!?」と言われるが、「うーんやめとこかな…」とお茶を濁して驚かれる。
そんな友人たちと久しぶりにラーメンを食べて帰った。
 
別に今すぐ死ぬわけじゃないけど、あの一番好きな曲をあと何回聞けるだろうかと、ふと思った。

術式が決まる

2021/11/4(木)
 
朝イチで病院へ。
 
9時すぎから乳腺エコー。
まずは癌がある左側から。
 
当然だけど、めちゃくちゃ念入りに見られる。
女性の技師さんはずっと無言だったけれど、
わたしも素人ながら画面を見つつ、うーん確かにこのあたりは黒いし境目がぼんやりしてるなと思ったり。
わたしの癌は左の乳房の上部にあるはずだけれど、
時々下部やら側面やらで手を止めては
光を当てたり大きさを測ったり画面上で印をつけたりしていて、
もしかして1箇所じゃないの!?
と思うと気が気でない。
早く何事もなく終わってほしい。
左だけでたっぷり15分くらい見られたんじゃないかと思う。
最後に脇もチェックして、
ここは一瞬で終わったので、
いまのところ脇には異常はないのかな?と少し安心。
 
続いて何もないであろう右側。
こちらは脇も含めてまじですぐ終わった。
 
一旦技師が退席し、
診断医?みたいな年配の女性が「ダブルチェックをします」と言って入ってきた。
左の上部をエコーでサッサーと確認。
さっき画面上で印がつけられてた下部や側面は流し見だったので、
そっちはやっぱ大丈夫だったのかなとまた少し安心。
 
そんなわけで
ドキドキしたり安心したりのエコーはとりあえず終了。
 
続いて麻酔外来へ。
全身麻酔のため事前の検査や問診があるらしい。
待ち時間に握力測定。
握力測るなんて数年ぶりだけど、著しく衰えていて自分で少しショック。
 
診察室に入ってから、最初に医師(何医か忘れた)から
簡単な問診や、麻酔時の挿管で歯が欠けることもあるのでグラグラしている歯はないか?等の確認。
 
続いて歯科衛生士による口腔内チェック。
とりあえず大丈夫だろうけど、できれば手術までに歯のクリーニングに行くことをオススメするとのこと。
 
最後に麻酔科医の問診。
全身麻酔は初めてなんでドキドキしてます〜」などと伝えると「心配しなくても大丈夫ですよ」と。
手術中はずっと麻酔科医がついてくれるんですね、安心。
 
以上、麻酔外来は終了。
 
 
続いて入院受付へ。
人生において初めての入院である。
手術の補償金(20万円)が必要なこと、連帯保証人が必要なことなどを初めて知る。
あとは、この病院は全室個室のため強制的に高額な差額ベッド代がかかるものと思っていたが、一部生活保護低所得者向けに差額ベッド代のかからない個室があるらしく、もし当日空きがあればこちらに入れるらしいことも初めて知った。
タオル交換がないなど多少不便はあるらしいが、4日で10万以上差があるのでそのくらい全然大丈夫である。
ただこちらは入院当日になって来てからでないと入れるか分からないらしいので望み薄。
入院時に必要な書類などを受け取り、入院受付は終了。
 
 
この時点で病院に来てから2時間ほど経った11時。
エコーの結果が出るのに時間がかかるとかで、
診察は13時からだったので、
病院近辺の散歩がてらお昼を食べに。
 
築地と言えば当然魚で、
外市場は平日にも関わらず結構賑わっていたが、
わたしは魚が苦手なので、
鳥めし鳥藤(とりとう)分店で、親子丼と迷った末に鳥めし(900円)をチョイス。うまうま。
今度は親子丼を食べに来ようかな。
 
 
午後、乳腺外科で診察。
MRIの結果が3Dの立体映像として見れて、
こりゃ素人でもどこにどの程度の病変があるのか一目瞭然。
転院前の病院はMRI結果はフィルムだったのでこんなにハイテクじゃなかったし、セカンドオピニオンの医師がアナログすぎると驚いてたのも分かるわ…。
ただこれ、病変部めちゃくちゃでかくない!?
転院前の病院では4.4cmと聞いてたけど今回は6cmと聞いてショック。
誤差の範囲なのか大きくなってるのか分からないけど…。
主治医によると、わたしが部分摘出を希望しているので今回は部分摘出でいきましょうと。
 
「乳輪に沿って切ると傷跡を目立たなくすることができると聞いたんですが」
「乳輪に沿って切る幅より病変部が大きいので、結局乳輪からはみ出して切る必要がある。位置的にも乳輪より上で切った方がいいですね」
 
そんなわけで、乳輪に沿って切るのは難しいらしい…。
スパッと横に切るので乳房上部に手術痕が残るのは受け入れざるを得ないようだ。
気になる変形については、やはり切り取る部分が大きいのでかなりの変形を覚悟しないといけないみたい…ただ乳房上部がぷるるんと張りがあるタイプではないので(もう垂れてきてるんでね…)そこまであからさまではないのではないかとのこと。
「左右の乳首の位置がズレると目立つのでそこはできるだけなんとかしてほしい」と一応伝えておいた。
 
もし万が一手術後に変形の程度が受け入れられなければ、放射線前であれば全摘再建に切り替えることも可能とのこと。(今までそんな人はいなかったらしいが。)
もちろん全摘後に部分切除に戻すのは無理なので、やはり今回は部分切除ということで合意。
ただもし全摘となった場合でも乳首は残せるものと思っていたが、病変部が乳首に達してないまでも近づいているので、全摘の場合は乳首は残せないとのことだった。
 
あとはセンチネルリンパ生検を実施することの確認。
何事もないといいなぁ。
 
一応気になることとして、
左足だけ痺れたり鼠径部にしこりがあることなど聞いてみるが、
おそらく乳がんとは関係ないだろうとのことだった。
 
 
最後に、術前の段階での評価を確認。
いまのところ非浸潤であるとのことだったけど、
サブタイプは分からないとのこと。
えっ、転院前の病院に細胞診のスライドを取り寄せてこっちの病院でも病理医がチェックするって言ってたじゃん!
どうやらスライドは請求しているがまだ届いてないと言う。
えっ、それにしても主治医がサブタイプ把握してないの!?
それで手術のこと決めちゃっていいの!?
今まで気楽に構えていたけど一気に不安になった。
サブタイプがどうであれまあ最初は手術するに違いないにしても、悪性度とか増殖のしやすさとかさあ…以前「急がなくても大丈夫ですよね?」と聞いたら「大丈夫」と言っていたけど、それは一般論として言っただけでわたしの癌を把握して言ってたんじゃないってこと!?
などと思ったがいまスライドが届いてない以上言ってもしょうがないのかな?と思い聞かず終い。
次回主治医に会うのは1ヶ月後の入院のときである。
えー、不安。
 
最後に看護師による補足説明。
部分切除を受ける人向けの動画を見せられる。
放射線治療の目印のため、術後に小さなチタンをいくつか埋めると初めて知る。
手術の所要時間は約3時間、当日の手術開始が何時からは3日前くらいに決まるなども質問により判明。
入院予定は月〜木だけど、金曜には在宅でならデスクワークができるか?との質問には、手術は利き手と逆だしおそらく大丈夫だろうとのこと。でもしばらくは休む方が多いらしい。そりゃそうか。
 
そんなわけで半日かかった今日の検査&診察は終了。
あとは1ヶ月後の手術&入院を待つだけ。
てか1ヶ月も待てるのか!?
いや待つしかないんだけど…。
いくつか選択肢があるなかで遅めの日を選んだのは自分だけど、こんなことならもっと早く手術日を設定してもらえばよかった。
日に日に痛みが増してる気がする。
日に日に大きくなってるんじゃないかと不安になる。
早く取ってほしい!
 
 
◆今日かかったお金
エコー検査・麻酔外来・診察など 2,770円
 
たくさんの人に会ったのに安くてびっくり。

MRI検査再び

2021/11/1(月)
 
転院先にてMRIを受ける。
MRI自体は約2ヶ月ぶり2度目である。
前回別の施設で受けた検査結果を取り寄せたりする手間がかかるうえ、使える形のデータでもらえるか分からないということを考えると、こっちでもう一度受けた方が早いとのことで。
 
今回は約20分。
半分くらいたったら造影剤を流すというのは前回と同じ。
肘ではなくわりと手首寄りのところに造影剤を入れるための注射を刺されたせいか、結構痛かった。
 
胸の部分に穴の空いたベッドにうつ伏せで寝る。
顔はどちらを向いていてもいいとのことで、ぼんやり横を見つつ後退していく機械。
前回はヒーリングミュージックの流れるヘッドフォンを装着してくれたが、こちらの病院は使い捨ての耳栓支給。
音がうるさすぎて効果あるのかよく分からず、今回は純粋に機械の音を聞かざるをえなかったのだけど……これはもしやプリミティブな音楽なのでは!?
音楽となることを前提としない偶然性による音の連なり、まるでジョン•ケージのようだ!!
現代音楽か、それともノイズミュージック?
だとするとケヴィン•ドラム! メルツバウ!!
などと興奮しているうちに「造影剤を流します」との天の声が聞こえ、看護師さんがやってくるのかと思いきや自動でIN!
えっ、これどういう仕組み!?
ただの注射器に見えたけどめちゃくちゃハイテクじゃん!!
などと興奮しているうちに検査は終わった。
 
そういえば初めてバリウム検査を受けたときもまるでアトラクションじゃん!!などと内心興奮したなあ。
バリウムほどじゃないけど、MRIもそこそこアトラクションぽい。
なかなか受けられるものでもないから楽しんでしまった。
MRIミュージック、誰かやらないのかな。
もう既に誰かやってたりして。
 
今日は検査のみなのでそのまま精算して終了(前回の施設よりだいぶ安かった)。
 
そのまま帰ろうとしたけど、そういえば院内をちゃんと見たことないなと思って散策してみることにした。
売店に売ってるものをチェックしたり、レストランのメニューをチェックしたり。
掲示板には情報がたくさん。
「患者さん向け広報誌配布中」との貼り紙があり、せっかくなのでもらってみると、「女性患者のための連携体制」みたいな特集でさまざまな科の先生たちの座談会が載ってて、科の垣根を超えてのサポート体制とか語っててめっちゃためになった。
 
次回は3日後にエコーと診察。
いよいよ術式が決まる、はず。
 
◆今日かかったお金
MRI検査  8,680円

転院先で初診

2021/10/27(水)
 
転院先で初診。
大きな病院でちゃんと診察を受けるのはほぼ生まれて初めてのことである。
初回だし先生と簡単な話をするのかな、多少待ったとしても1時間くらいで終わるかなと思っていたが全然違った。
 
13時。
最近の病院は受付機に診察券を通せば、何番のどこどこに行ってくださいと出てくるのか、便利だなぁ。
 
で、行ってみるとまずは身長•体重•血圧を測ってくれとのことで、すぐそこの機械でセルフで測って出てきた紙を渡す。
ふだん体重量ってないけど、少し痩せたような。
 
で、続いて問診票の記入。
誰からのサポートを得られそうかとか、そういう内容も。
「不安度を10段階で」みたいな項目があり、初めてそういうのを考えたけど、「2〜3くらいかな」と。
そう思うと案外わたし落ち込んでないのかもと自分でも初めて気づく。
 
で、続いて看護師さんによる説明。
病院独自の乳がん患者用手帳みたいなのを渡され、これからの受診の流れの説明。
どういう検査を受けて、どういう手術になるのかなど。
このあたりはだいたい把握していた通り。
ていうかわたしまじで大病院初めてなので、看護師さんがこんなことまでしてくれるのかと地味にびっくり。
主治医ならぬ主治看護師? みたいな存在が大病院にはいるのかな? と思って聞いてみたけどそうでもないらしい。
 
で、ようやく先生の診察。
先週挨拶だけさせてもらったので初対面ではない。
まずは胸を見せるのかと思いきや、今日は全然触診とかなくて、説明が多かった。
 
早速手術の日取り決め。
大病院初心者的には手術の術式を決めてから手術の日程を決めるのかと思ってたけど、先に手術の日程を決めてから逆算して検査とかやっていくんですね…。
ほんと知らないことだらけです。
セカンドオピニオンの時には手術は12月末くらいになるだろうと言われていたけど、キャンセルが出たから11月半ばでもいけると言われ……いや、早く手術をしてもらいたいとは思ってたけどさすがに心の準備が。
あと会社のことを考えると急すぎる。
次の候補は11月最後の週。
あ、わたし12/3にどうしても行きたいところ(ライブ)があるんですが……となるとさすがにその週は厳しい…というわけでその1週間後の12/6からの入院に決定。
部分摘出の場合はだいたい入院4日で退院らしい。
手術は入院2日目、てことは12/7が人生初手術日になるのか……ドキドキ。
 
とりあえず今日は採血やらマンモなどをやり、MRIやらエコーやらは来週また別日に受ける必要があるらしく。
月曜にMRIだけ受けに来て、木曜にエコー&麻酔科医の説明&診察とのことで、MRIと麻酔に関する問診票を受け取る。
詳しい説明や術式見極めは来週の木曜になりそうです。
 
前の病院では部分摘出の予定だったので、わたしとしては部分摘出ができるものと思っていたけど、ほんとに可能か、じっくり検査をして見極める必要があるとか。
こちらの先生もおそらく温存可能だろうと思うとは言うが、検査の結果もしかしたら全摘しか残されてない可能性もなきにしもあらずなのか……。
(それにしても、セカンドオピニオンのとき横で聞いてましたか!?ってくらい、先生がちゃんと状況を理解していて驚いた。本当にしっかり連携とれてるんだなぁ。当たり前のことかもしれないけど、信頼度が上がるし、こういう病院なら手術も安心だなぁと思いますよね。)
 
ちなみにMRIはこの前受けたばかりなので、その機関から結果を取り寄せることも可能だけど、セカンドオピニオンの際にフィルムで持っていったので、データとして取り寄せが可能なのか、また取り寄せたところで使えるものかどうか分からないし、やりとりに時間がかかるので、こちらの病院で再度撮り直す方が確実……とのことで、もう1度こちらで受けることにした。
前回MRI 11,000円かかったけどね……それが無駄になってしまうけど……うっ。
 
あとは、遺伝子検査の説明。
近親者にいないので遺伝である確率は5-10%くらいだと思うので、受けても受けなくてもよいと。
遺伝子検査ってめっちゃ高額なイメージあったけど、若年者などは去年からようやく保険適応になったらしく、それでも3割負担で7万……決して安くはない……。
検査結果によって再発とか逆側にできるリスクなどを考慮することになるらしいが、なんていうか保険みたいなものですよね……。
高額医療費の対象になるので、手術と同じ月に受けられればいいけど、結果に3週間ほどかかるらしく、手術前に結果を出さないと意味がないので、同じ月は厳しそう……。
 
最後に聞いておきたいことはないですかとのことで、気になってた鈍痛のようなものを相談。
ここで初めて胸を見せて触診してもらったが、おそらく気にしなくて大丈夫だろうとのこと。
わたしのは進行が遅いタイプらしい。
あと「乳がん側で重い荷物は持たない方がいいですか?」との質問も、特に気にしなくていいとのこと。
食事制限も飲酒制限もないし結構自由なんだなあ。
 
そんなわけで今日の診察は終了。
がしかし、これから検査の嵐。
今日は診察だけと思って来たけどまるで健康診断である。
前の病院では手術前の検査として受けたのは採血だけ。
大病院は丁寧だなあ……それとも前の病院が適当だったのか……?
 
先生の診察室を出てとりあえずトイレへ。
すっきりしたところでさっき渡された紙をちゃんと見ると、採血•検尿→心電図→レントゲン→マンモグラフィ →精算と、それぞれの場所が書いてある。
 
検尿!?
 
いま出したばっかりですけど!?
 
いや、先に何の検査するのか確認しとけよって感じですが、どっちにしろいま出してしまったばかり……どうしよう……と思いながらとりあえず採血を受け、もう一度トイレで頑張ってみるがやはり全然出ない。
トイレから直接尿を提出する小窓から看護師(男性でした)を呼び出して確認するとやはり量が足りないと。
「またあとでチャレンジしてもいいですか」
「いいですよ、16時半までに持ってきていただきたいのですが可能ですか?」
現在15時すぎ。残り1時間ちょい。
「たぶん大丈夫かと……水とか飲んだ方がいいですかね?」
「そうですね」
そんなわけで自分のうっかりにより突如1時間で検尿ミッションが始まった……。
 
すぐに売店で水を買い、飲みまくる。
その間にまるでオリエンテーリングのごとく病院内をうろうろして心電図やレントゲンを進め、待ち時間にも水を飲みまくる。
残るはマンモ(と検尿)のみ。
 
マンモって、人によっては全然痛くないらしいが、わたしはとにかく痛い。
1年で1番痛い。
本当に痛い。
前の病院では「マンモはめちゃくちゃ痛い」と言うと免除されたが、ここでは受けなければならない。
いや、自分の体のためだし、受けますけど……。
 
憂鬱な気分になりながら検査室へ。
女性の検査技師さんが胸を挟んで圧迫する。
「どうしても痛いときは言ってください」
必要な検査だし大人だし我慢するぞ!……と思うが、自然と「あっ、うっ」という声が出てしまう。
文字通り胸を潰されるわけだけど、ペチャンコになってペラペラになってしまうんじゃないかと思うくらいの痛さ。
それでもなんとか両胸耐えてホッとしているところへ、「斜め方向からも撮影します」と。
そうだった、まだ終わっていなかった。
「リンパもしっかり映るようにしますね」と脇の肉もしっかり挟んで思い切り圧迫。
「あっ、ううう痛い……痛い……」
思わず声が漏れてしまい、一旦圧迫中止。
正面からより斜めからの方がもっと痛い。
「すみません我慢します……」
再び念入りに圧迫される脇と胸……とてつもない激痛。
技師さん! 早くここから離れて! 早く撮影ボタンを押して!!
「息を止めて動かないでください」
そう言われても痛みに耐えきれず体がぶるぶるする。
パシパシと撮影する音が聞こえ、「楽にしてください」までの数秒間の地獄の痛み……。
「写真を確認しますね」
え、もししくじってたらまたやり直し!?
とドキドキしていたけど「大丈夫です」でホッ。
やはり今年もいまのところこれが1番痛かったで賞である。
(手術はもっと痛いのかな……)
それにしても、癌があると分かっている胸をこんだけ圧迫しまくっても大丈夫なら、重い荷物を持つくらい全然大したことないわなと思った次第。
 
マンモを終えた清々しさと共に、検尿リベンジ。
あれから小一時間たって、再び紙コップをもらう(さっきの男性より)。
「25mlの線まであれば大丈夫です」
というわけで試してみるとなんとか25mlギリギリ超えたが、
生理の血が混じってしまい、一応提出時に「生理中で血が…」と伝えたものの、そもそも生理中の検尿って有効なんだろうか?
後日やり直しになるかもしれないな。
 
そんなこんなでなんとか今日やるべきことは終了。
病院に来てから既に3時間経っていた。
大したことは何もしてないけどちょっと疲れた。
 
次回来院はMRI
 
◆今日かかったお金
診察+検査+初診料 8,790円