新宿は豪雨|乳がんのリアルタイム記録

38歳•独身•ひとり暮らし、非浸潤性乳管がん。乳がん初心者の右往左往の記録。

入院2日目【手術日】

2021/12/7(火)
 
▼1日のざっくり記録
0530 起こされる
0700 点滴のための麻酔パッチを手の甲に貼る
0715 先生たち挨拶
8時すぎ 手術室へ
11時すぎ 部屋へ戻る
1300 酸素マスク、足マッサージ外す、トイレまで歩く
1500 飲食可能に、もりもり食べる
1545 主治医くる
1645 担当医くる
1715 夜勤担当看護師挨拶来る
1725晩ごはん、カロナール1錠
1840下げ膳
1900点滴外れる、熱が上がっていた(37.5℃)ので氷枕もらう
 
 
いよいよ手術日である。
朝イチの手術のため、6時までに脱水防止の水(アルジネードウォーター)を2本飲んでおかねば。
わたしとしては5:50くらいに起きて飲むつもりだったが、
看護師さんに5:30に起こされてしまった。
検温・血圧・パルスオキシいずれも異常なし。
水を飲んでからはすることもないのでまた寝ようと思って少しうとうとしたけど、
7時までに手術用の服に着替えておくように言われ、
看護師さんやら先生やらがやって来るのであんまり寝られず。
 
8時少し前に母親がやってきた。
8時すぎに看護師に呼ばれ手術室へ歩いて移動。
持ち物はメガネケースのみ。
本来なら手術室に入るまで家族は同伴できるらしいが、コロナのため母親とは病室でバイバイ。
 
いや〜人生初の手術室ですよ。
と思ったら一旦手術室の隣の小部屋で、名前や生年月日の確認、看護師さんやら医師たちのいろいろの確認など。
いつも診てくれていた先生Bも、いつもと違って手術着だったので、声を掛けてもらえるまで誰か気づかず。
 
そして今度こそ手術室へ。
これも自分で歩いて行って自分で靴を抜いで自分で台に登って自分で横になる。
手術室を見回してみると、結構雑多だった。
麻酔パッチをしていた手首に点滴が挿入される。
「ちょっとチクっとしますよ」と言われたがほとんど何も感じなかった。
酸素マスクが当てられ、コロナのため付けていたマスクが外される。
「マスクは処分してもいいですか」と聞かれたので「捨ててください」と答えた。
眼鏡も外され、ほとんど何も見えなくなる(視力悪い)。
そこで「眠くなるお薬を入れていきますよ、いいですか」みたいなことを言われる。
おぉついに人生初の全身麻酔ターイム!
「深呼吸してください」と言われて2〜3回しているうちに頭がグラグラする感覚があり、「あ、これは歩いてたら倒れてるぐらいのグラグラだな」などと思った。
「気分はどうですか?」
「頭がグラグラします」
「グラグラしますか」
と言われたところで記憶が途切れた。
 
「○○さん終わりましたよ」とぼんやりと声が聞こえる。
本当に、寝ているところを無理やり起こされた感覚。
でも目は開かない。
「リンパは大丈夫でしたよ」と言われたような気がする。
なんとなく運ばれている感覚があるがまだ目は開かない。
エレベータに乗っている、ベッドに乗せられている……。
個室に戻ってしばらくたってようやく目を開いた。
時間は11時すぎ。
3時間くらいかかったようだ。
 
この、術後の2時間が一番つらかった。
 
ぼんやりとした意識のなか、病室で待っていた母親に「手術結果聞いた?」と聞くと「聞いた」と。
「リンパ大丈夫だって言ってた?」
「言ってた」
「良かった」
「乳輪に沿って切ったって。それがご本人の希望でしたからって」
「良かった」
それにしても動けないし、なんか痛いし、余計なことを考えてしまうので、寝てしまいたい。
うとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
またうとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
懲りずにうとうとする、でも寝る直前に目が覚める。
延々とこの繰り返し。
なんだろう、ショートコントを延々と見せられてる感じ、オチがついたら目が覚める、みたいな。
短い夢をたくさんたくさん見た気がする。
寝たいのに寝れない。
動けないし酸素マスクも邪魔だし血栓予防のため足首に付けられた機械が気になるし……。
気分が悪いとか吐き気とかそういうのはないんだけど、
なんといったらいいか、とにかく全身に不快感が。
 
病室に戻って1時間が経った頃、尿意を感じはじめる(カテーテル入ってなかったので)。
1回感じるともうそればかりが気になってしまって耐えられず……ついに初めてのナースコールを……。
やってきた看護師さんに「ベッドでやってもらうしかないですね」と言われて一瞬プライドが邪魔をする。
でもトイレ行けるの術後4時間だっけ? まだ1時間しかたってないのにあと3時間我慢するの無理……ていうかこの不快感のうち1つをなくせるのに何を我慢する必要があろうかと思い、洗面器をお尻の下に敷いてもらいました……。
「こんなんやったら出んのちゃう」という母親をよそに、初めてベッドの上で用を足す……。
申し訳ないうえに恥ずかしかったけど、すっきりしたのでよかった……。
 
13時になり、術後2時間が経過。
酸素マスクと足首の機械が外され、それだけでもめちゃくちゃ楽である。
そして看護師さん同伴でトイレまで歩いてみることに。
え、トイレって術後2時間で行けるんだ。
だったらあと1時間耐えればよかったかな?と今さら思うがもう遅い。
個室のためベッドからトイレまで3歩である。
点滴の管が邪魔だったし、胸は思ったより痛かったけど、クラクラもフラフラもなく余裕で歩けた。
トイレに入り、さっき出したばかりなのにまた普通に用を足す。
手術前にもちゃんとトイレに行ったのに、なんでこんなに出て来るんだと自分でも疑問(汗)。
水のみ飲用可になったので、用意していたペットボトルストローを看護師さんにさしてもらって飲んだいろはす、超うめーーーー!
大半が寝ていたとはいえ、7時間ぶりの水分補給。
あんまり飲むとまたトイレに行きたくなるだろうが、もう1人で歩いて行けるので無問題。
 
とはいえ、ほとんど動けないしすることない。
そして思ったより患部が痛い。
いや切ってるから当たり前だけど。
内部の痛みというより、でっかい切り傷って感じの痛み。
いや胸にきつくバンドを巻いて固定してるせいの痛みのような気もしなくもない。
ベッドを起こすと少しだけ楽。
はっきりした意識で、母親にもう一度確認。
「リンパは大丈夫だった」「本人の希望により乳輪に沿って切った」とのこと。
ホッ。
 
15時になり、術後4時間経過し、すべて飲食可能になった。
イェーイ!
昨日買っておいたちょっといいスイーツを、冷蔵庫から母親に出してもらって早速食べる。
チョコレートも食べる。
ウマウマ。
点滴のせいで動きづらいがひとりで動けないこともない。
それを見届けて今日も母親は帰って行った。
 
しばらくしていつも診てくれてた先生Bが来てくれた。
きつく巻いていたバンドを外し、
術後の胸をチェックして、「大丈夫そうですね」と。
そしてまた強くバンドを巻かれる。
「今日は強く巻くけど、明日からは緩くなるから」と。
 
その後もまたいろいろな人がやってきて患部をチェックしてくれる。
看護師に「痛みを10段階で言うならどのくらいですか」と聞かれ、「2か3くらいです」と答えた。
動かなかったら痛くないけど、動くとそれなりに響く。
かと言って寝られないほどではない。
 
しかし部屋の構造上、サイドボードが患側にあるので、水とか食べ物とかすぐそこにあっても手を伸ばして取ることができず不便だった。
水ひとつ手に取るだけでも、電動ベッドを起こして健側の手で支えながら体を起こしてから、健側の手を逆側に伸ばして取る必要がある。
サイドボードが健側にあればもっと楽だったのにな。
それにしても、ペットボトルストローは入院中まじで重宝した。
持ってきて大正解だった。
 
18時を待たずに晩ごはんが出された。
「半分以上食べられたら点滴が外れますよ」とのこと。
普通の晩ごはんが食べられるのは朝イチ手術患者の特権らしい。
(午後手術の場合などはパンなどの簡易食らしい)
体を起こすのが面倒だったし、点滴がめちゃくちゃ邪魔だったけど、またしてもぺろり。
半分どころかあっという間に完食である。
 
看護師さんに「痛み止めを出しますね」と言われてカロナール500をもらう。
痛み止めといえば、いつも生理痛のときに飲んでるロキソニンに全幅の信頼をおいているけど、カロナールは初めて。
一応飲んでみる。
はっきり言って痛みに変化なし。
そもそもこの痛みは、傷の痛みなのか、バンドをきつく巻いているせいなのかもよく分からない。
 
19時すぎ。
完食を確認して、検温、血圧、パルスオキシメーターでの確認ののち、点滴がガラガラするスタンドから外される。
とはいえ完全にではなく、手首に収まるミニサイズに。
でもガラガラから外れたお陰でかなり動きやすくなった。
特に自分では熱を感じなかったけど、検温したら37.5℃あった。
カロナールも飲んだのになぜ!
看護師さんに氷枕をもらう。
冷たくて気持ち良い。
 
 
19時半。
持ってきていたノートパソコンを広げ、wifiに繋ぎ、配信ライブを見る。
今まで欠かさず行ってたアーティストのライブ。
冗談抜きで皆勤賞だったので、入院の日にちを決めるときもライブにかぶらないように気をつけてた、なのに、入院の5日前に急遽今日のライブが発表されて、入院直前のただでさえどきどきしている時期に大ダメージを受けてた。
現場に行っている友人にLINEをしつつ、いつも現場に足を運んでいたのに、ひとり病室で見る日が来るなんてと不思議な気分。
とはいえ病室だろうがなんだろうかリアルタイムで見られるんだから良い時代なのかもしれない。
そして朝イチ手術じゃなかったらいまリアルタイムで見る余裕もなかっただろうなと思うとラッキーなのかもしれない。
以前の配信ライブではアンコール前に配信切られたこともあったけど、今回はアンコールも配信してくれて、ほんとに最初から最後まで見ることができた。
初めて乳腺外科に行った日にも、公園でこの人の配信ライブを見たっけな。
わたしはついてる。そう思うことにした。
 
ライブも終わり、いよいよすることがないので寝るしかない。
今日半日ベッドにいただけで、腰がヒリヒリする痛さ。
あとなぜか、左の肩甲骨あたりが擦りむいたような痛さ。
ずっとベッドを起こして同じ体勢でいたせいかな。
ぶっちゃけ胸より腰より肩甲骨の痛みの方が気になる。
クッションを挟んだり、氷枕を当てると少し楽になった。
 
と思いながらも、案外すぐ寝た。
でも結構何度も目が覚めては寝ての繰り返しだった。